会社概要


経営者DX推進メッセージ

2024年3月

① IT業界動向

ア.ポスト生成AI時代

もはや当たり前に利用されるようになってきた「ChatGPT」を代表とするLLMですが、OpenAIやGoogleといった海外企業の製品のため、日本語での学習量が少なく、日本語での対応に不親切な面は否めません。

そこで、NTT・NEC・富士通など国内企業で開発が進んでいるのが、国産LLMです。

LLMは学習のために膨大なパラメータと電力量が必要となりますが、国産LLMは少ないパラメータ数で学習する工夫を進めています。

その一つが、Sakana AI社のAIモデルで、生物の模倣(Biomimicry)に基づいた柔軟で適合性の高いAIモデルです。

これは多数の小さなAIモデルを開発し、協力させ、複雑な結果を出力するという新しいアプローチで、魚や蜂を想像してみていただくと、もっと分かりやすいと思います。

魚は、群れを作って泳ぎ、時には大きな敵を追い払います。(「スイミー」という絵本がありましたね。)

蜂も、全員で巣をつくり、餌を女王蜂に運び、天敵が来たら一斉に攻撃します。

このように自然界にあるシステムは、その状況に合わせて対応します。

この考えをAI開発に取り入れようというのが、Sakana AIなのです。新しい発想で開発される国産AIに期待です。


イ.ウラノス・エコシステム

世界各国では、データ連携基盤の構築に向けた取り組みが加速しています。

米国のGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)や中国のBTAJ(Baidu、Alibaba、Tencent、JD.com)のようなメガプラットフォーマーを有する国では、それらの企業を起点とした企業間データ連携が進められ、巨大な経済圏がすでに出来上がっています。

日本も複数の企業が連携して経済圏を作り上げることを狙いとしたデータ連携基盤を構築しようとしていますが、そのデータ連携基盤に経済産業省が名付けたのが「ウラノス・エコシステム」です。

国家間の競争環境は、よりシビアになってきています。その中で、協調できる領域は公的なデジタルインフラとして整備し、企業や業界が競争領域に集中していくことが重要です。

国内外でのデータ連携の取り組みが進められる中で、ウラノス・エコシステムはますます注目される存在になると考えられます。


ウ.Snowflake(スノーフレイク)

Snowflake(スノーフレイク)という画期的なデータ連携サービスがあります。

Snowflakeデータクラウドは、ビッグデータの蓄積・管理・活用に優れ、従来製品と比較するとコストや運用負荷を低減できるSaaS型データプラットフォームです。

構造化/半構造/非構造のあらゆるデータを取り込み一元管理が可能で自社のデータ統合だけでなくグループ企業/社外パートナー/オープンデータの活用も可能、さらに自社のデータをSnowflakeマーケットプレイスに公開し収益化を目指すことも可能になります。

これにより、経営の効率化や技術革新が容易になり、企業がデータ駆動型の経営に目覚めることが期待されます。



② IT技術トレンド

ア.ハプティクス(触覚技術)

ハプティクスとは、デジタル空間における触覚での体験を実現する技術です。

この技術が進歩することで、仮想現実が現実に近づくことになります。

ハプティクスの中でも、注目されているのが、「超音波ハプティクス(空中ハプティクス)」で空間上に目に見えないバーチャルの3D形状や感触をつくり出す技術です。

例えば、車に応用されると、エアコンの調節やオーディオのボリューム操作などが実際のパネル等に触れなくても、空中で操作が可能になります。

超音波ハプティクスによりユーザビリティーが向上し生活をより安全に、衛生的に、そして豊かにする無限の可能性が期待されています。



④ 当社のDX戦略の進捗状況、その他

・従来型ビジネス

生成AIを活用したプロジェクトは、確実に広がっており自社製品や社内システムへの活用を始めています。

こちらは引き続き、さらなる展開を目標に進めて参ります。


・新たなビジネス

まもなく新たな製品をリリースすることが出来る予定です。

またITエンジニア育成研修サービスを立ち上げます。

引き続き、新たな製品開発・サービスの提供に向けて進んで参ります。


・SDGsの取組

今年度より、SDGsの目標4[教育]への取組として当社のエボテックJr.(小・中学生向けプログラミング学習サービス)を無料開放します。

プログラミング学習の機会を全ての子供たちに与えることができれば幸いです。


2024年3月 システム・エボリューション株式会社
   代表取締役社長