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経営者DX推進メッセージ

2020年9月

① IT技術トレンド

ア.IoB(Internet of Bodies)

前回、デジタルヘルスとして、デジタル技術による、医療と健康の向上についてお話させていただきました。デジタルヘルスにも関係してくるIT技術として注目されてきているのが、IoB(Internet of Bodies)です。

IoBとは、人の行動をデジタルで追跡するテクノロジーを指す言葉です。今は第一段階で、スマートウォッチのような体に装着するツールがそれにあたります。第二段階として、さらに進めば、体内にマイクロチップなどを埋め込むことにより、その人の健康状態だけでなく、位置情報や運動履歴まで把握できることになります。

体とインターネットをつなげた状態で、人々の動作や行動をデジタルで追跡し、活用することがIoBの概念です。将来、脳とインターネットをつなぐことで、脳の可能性を引き出すことまで可能になるかもしれません。まさに映画や小説の世界が実現化することになります。


イ.電子契約

現在の商習慣では、契約書が作成されると、自らと先方用に2部印刷し製本、押印して、封入・先方への郵送を行い、先方に到着したら、先方で押印して、1部返送する、といった流れになります。これをデジタル化することで、余計な手間を無くすことが出来ます。電子契約書を作成したら、双方で電子署名を生成し、署名を電子契約書につけることで、誰が何を確認したかが証明できます。また、いつ何を確認したかは、タイムスタンプで証明することができ、双方で確認が行えれば、それぞれで電子契約書を保管すればよいだけになります。

タイムスタンプとは、ある時刻にその電子データが存在していたこととそれ以降改ざんされていないことを証明する技術です。

DXが推進されれば、電子契約が主流となってくるでしょう。


ウ.ゼロトラストネットワーク

「ゼロトラスト」とは、完全に信頼できるものは何一つ無い、という考え方を根底にしたセキュリティ対策モデルです。

現状、クラウド利用が増加することにより、データは外部のサーバにあることになるため、企業の内部と外部との境界が曖昧になっています。また、テレワークの増加で、自宅やサテライトのPCから社内に接続することで、境界での監視が難しくなっています。さらに、内部不正による情報漏えいも後を絶ちません。それは、境界が曖昧になり内部も外部も脅威の対象となっているということに他なりません。

ゼロトラストセキュリティの基本的な考え方は、社内からのアクセスであっても安全とは見なさない、どのようなネットワークであっても信頼しない、ということで、通信アクセスをすべて可視化/検証し、すべて記録(ログ)を残したうえで、信頼できるものにしかアクセス権限を与えないようにします。アクセスのたびに認証するリアルタイムなセキュリティ管理を行うことで、アプリケーションや端末を守ります。

今後は、さらにゼロトラストの考え方に基づいたセキュリティ対策が増えていくと思います。


エ.ローコード開発

ローコード開発とは、ソースコードを書かずに、または最小限のソースコードで、ソフトウェア開発を行う手法です。これまで人が行ってきた詳細設計/プログラミング/単体テストの工程が、ツールによる自動化で置き換えられるので、開発期間が大幅に短縮できます。今は部分的に使用するツールが主流ですが、今後は、システムのライフサイクル全般を支援するプラットフォーム型が主流になると言われています。IT開発ベンダにとって工期の短縮は良いことのように思えますが、よく考えると、プラットフォーム型のローコード開発が主流になるということは、アプリケーション開発がユーザ自身で可能になるということなので、これまでのようなIT開発ベンダの仕事がなくなるということなのです。

ではどうするのか。IT開発ベンダはその役割を変える必要があります。ユーザで開発・保守が可能になれば、IT開発ベンダは、上流&支援を担うべきです。我々も変わらなければなりません。



② 当社のDX戦略の進捗状況

前回報告した、AI活用プロジェクトへの参画については、その後、さらに案件の数を増やすことが出来ました。

自社製品 Anysee (コミュニケーションアプリ)も着実に販路を拡大しています。

自社製品 第二弾 クラフトラーニング (若年層向けオンラインプログラミングツール)については、販売開始後、顧客を獲得することが出来、まずは第一歩を踏み出せたと思います。

当社では、さらに第三弾の製品開発にも着手しており、引き続き、DX戦略の実現に向けて進めて参ります。


    

2020年9月 システム・エボリューション株式会社
   代表取締役社長