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経営者DX推進メッセージ

2024年9月

① IT業界動向

ア.電力需要増

全世界で電力需要が増えており問題となっていますが、その要因の一つが生成AIにあると言われています。

例えば、一つ前のGPT-3(パラメータ数=1750億個)の1回の学習に必要な電力は1300MWhで、その電力量は「原発1基の1時間分(1000MWh)に相当する」といいます。

日本でも電力供給能力が逼迫している状況下では超大規模モデルが使えず、ひいては日本の先端技術の研究開発が遅れをとることになります。

対策としては、GPUの冷却方式を空冷から液冷にシフトする、夜間の発電を昼間に有効活用するといった方法の他、光技術を使った次世代通信基盤で「低遅延」「低消費電力」「大容量・高品質」のネットワークを実現するNTTのIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)も注目されています。

また前回のIT業界動向で紹介した「Sakana AI」もそれぞれはGPUをほとんど使わないので省電力を実現できます。


イ.SBOM(Software Bill of Materials)

SBOM(エスボム)とは、ソフトウェア製品がどのような部品から成り立っているかを示す、ソフトウェアの成分表を意味します。

ソフトウェア開発においては、OSS(Open Source Software)を使用したりサードパーティの製品を使用することがありますが、時にそれらにセキュリティ上の問題点が潜んでいたりします。

SBOMを活用することで、脆弱性やライセンス面で採用が難しい製品を早期に発見できたり、障害等が発生した場合の影響範囲が特定しやすくなるのです。

我国ではまだ知名度が低いですが、諸外国政府は調達ソフトにSBOM対応を義務付けたり、企業がSBOMを導入したりしています。

今後は、サプライチェーンに携わる各社でSBOMを作成・集約することで、完成品の構成要素を正確に把握しセキュリティの強化、リスク軽減に役立てる機会が増えていくと思います。


ウ.生成AI連携

これまでは、先進的な企業が業務活用に向けシステムに生成AIを実装する動きが中心でしたが、今後は、SaaSベンダーがサービスに生成AIを組み込み業務の自動化支援機能を提供するようになってきます。

つまり、企業にとっては、SaaSを導入すればいつの間にか生成AIを活用出来ていることになるのです。

誰もが業務システムで「当たり前に」「いつの間にか」生成AIを使っている時代になってきます。



② IT技術トレンド

ア.システム開発言語の動向

システム開発言語といえば、1960年以降はCOBOLが事務系システムの定番でした。

しかしながら稼働基盤であるメインフレームが衰退し、日本語COBOLはそのコードの非互換性から衰退していきました。

その後登場したJavaは、オープン・クラウド等稼働基盤を選ばず、同じコードがどこでも動くことからその地位を確立しました。

そのJavaも現在新しい言語が次々と現れ競合する時代になってきています。

例えば、コードの簡略化ではPythonやKotlin、AI開発機能の強化ではPython、仮想スレッド機能ではGoなどです。

次のLTSとなるJava 25 ではモダンな記法や機能を備える言語として生まれ変われるでしょうか。

期待してみたいと思います。



④ 当社のDX戦略の進捗状況、その他

・従来型ビジネス

生成AIを活用したプロジェクトは、確実に広がっており自社製品や社内システムへの活用を始めています。

こちらは引き続き、さらなる展開を目標に進めて参ります。


・新たなビジネス

新製品がリリース間近になってきました。

またITエンジニア育成研修サービスも「エボテックスクール」としてサービス開始しました。

引き続き、新たな製品開発・サービスの提供に向けて進んで参ります。


・SDGsの取組

今年度より、SDGsの目標4[教育]への取組として当社のエボテックJr.(小・中学生向けプログラミング学習サービス)を無料開放します。

プログラミング学習の機会を全ての子供たちに与えることができれば幸いです。


2024年9月 システム・エボリューション株式会社
   代表取締役社長