会社概要


経営者DX推進メッセージ

2020年3月

① 世の中の動き

ア.SDGS

「SDGs」とは持続可能な開発目標を意味する「Sustainable Development Goals」の頭文字を取った略語です。

2030年までの国際目標として15年9月の国連サミットで採択されました。気候変動や貧困の対策など17の目標を掲げ、さらに細かく定めた169のターゲット232の指標からなります。これは、発展途上国だけでなく、先進国を含むすべての加盟国に適用されます。つまり、2030年までに達成すべき国際社会共通の目標になります。

過去のCSRは、儲けたお金の一部、余ったお金を使って社会に貢献しようという発想でしたが、SDGSは、本業を通じて儲けながら世界を変えていこうという発想に基づいています。

ITベンダ各社は、それぞれでSDGS関連の取り組みを行っており、システム・エボリューション株式会社としてもグローバルで戦うための大前提として、取り組んで参ります。


イ.スーパーアプリ

スーパーアプリとは、一つで生活に関わるサービス全般をオールインワンで利用できるアプリケーションのことをいいます。

日本では、LINEとYAHOO!の経営統合により、1億人規模のデジタル基盤が誕生しますが、それでも世界規模で見れば、中国のアリペイとアリババの統合に比べれば、その資金量は20分の1に過ぎません。世界の巨大な基盤をバックとした、どのようなスーパーアプリが生まれてくるのか、その動向を注視し対応を検討していきます。



② IT業界動向

ア.民法改正

2020年4月以降、改正民法が施行され、瑕疵対応の内容が変更になります。改正民法では、「瑕疵」という言葉がなくなり、「契約不適合」という表現になります。ユーザがシステムの無償改修を請求できる期間(これまでの瑕疵担保期間)は、システム引き渡しから1年間であったものが、契約不適合を知ってから1年間、さらに引き渡しから10年間は無償改修に応じる必要があります。これまで以上に品質管理が重要になります。


イ.サイバー犯罪

2020年はスマホに特化したサイバー攻撃が急増すると言われています。キャッシュレス決済やネットバンクなどの「生活インフラ」として利用されているスマホですが、パソコンに比べてセキュリティ対策が不十分で、消費者の警戒レベルも低いため、二段階認証を突破するスマホ攻撃、AIで肉声を偽る「ディープフェイク」といった攻撃が増えると予想されるからです。特にAIで進化する「ディープフェイク」は、音声データを元に他人の「声」になりすます詐欺や、画像データを元に偽画像を作成して風評被害攻撃、リベンジポルノに利用され、さらには映像データから生体認証を突破することも起こり得ます。

音声や顔で個人を識別するスマートフォンなどのデバイスに、本人に簡単になりすましてログインされるようなことが広がれば、被害は甚大になります。AIの進化によるこのような攻撃に対応した、セキュリティ対策の策定が必要になります。



③ IT技術トレンド

ア.進化するAI

AIがトレンドとなって久しいですが、今、AI開発技術が変化しています。個別の問題一つ一つでAIが人間を超える時代から、AIを開発する能力でもAIが人間を超える時代となってきています。つまり、人間が教師データを与える「教師あり学習」は、AIが自ら学ぶ「転移学習」へと進み、やがてAIがAIを開発する「メタ学習」に進んでいるというのです。

AIがAIを開発する「転移学習」や「メタ学習」については、Googleが「Cloud Auto ML」で既に活用しています。

これは誰でも簡単に機械学習による予測モデルを作成できるようにするクラウドサービスです。従って、AIを使って何ができるかを考えることは、大手クラウド事業者がAIプラットフォームとして提供するため、我々は誰でも使えるソリューション(AIソリューション)を提供する必要があるのです。

「AIソリューション」こそ新たな競争の場になります。


イ.デジタルヘルス

「デジタルヘルス」とは、デジタル技術により、医療と健康を向上させることを言います。

例えば、AI診断支援はAIを搭載した内視鏡画像診断支援ソフトウェアとして、実用化まで来ています。

大量の症例画像を教師データとして学習したソフトウェアは、正診率が98%を超え、専門医に匹敵する診断精度を実現します。また、オンライン診療の分野では、予約から問診、診察、処方、決済までをインターネット上で行うサービスが生まれ、物理的に手術の支援を行うロボットも登場しています。さらには、AIなどの最新技術を導入し、蓄積した医療・健康データの活用に積極的な病院が、病院内にとどまらず人々の日常生活において、関連する業種と連携して、健康に関するあらゆる面でサポートを行う「スマートホスピタル」も現実のものとなる日が近いかもしれません。


ウ.マイクロラーニング

「マイクロラーニング」は、3~5分程度の短時間で受講できる動画(マイクロコンテンツ)により学習を行う新しい学習スタイルです。通勤電車や昼休みの隙間時間を活用し、パソコンやモバイル機器など、様々なデバイスを通じて学習することができます。我々、システム・エボリューション株式会社としても、これまでに蓄積したノウハウをもとに、マイクロコンテンツを制作しており、今後、自社サービスとして展開していきたいと思います。



④ 当社のDX戦略の進捗状況

従来型ビジネスにおいては、AI活用プロジェクトへの参画を始めました。また、ローコード開発についても、案件への参入を目指して社内講習を実施しており、今後のAIを活用したデータの利活用およびシステム開発プロセスの⾃動化というDX戦略をさらに進めて参ります。

また、「新たなビジネスの創出(デジタル教育事業)」に関しては、自社製品 Anysee (コミュニケーションアプリ)の販路拡大を実現しました。加えて、自社製品 第二弾 クラフトラーニング (若年層向けオンラインプログラミングツール) の新規販売を開始し、DX戦略の実現に向けて着実に前進しています。



2020年3月 システム・エボリューション株式会社
   代表取締役社長