会社概要
経営者DX推進メッセージ
2026年3月
① IT業界動向
ア.ソブリンAI
海外の巨大テック企業に依存せず自国のインフラ、データ、技術 により独自のAIを構築・運用する「AI主権」を確立するのが、ソブリンAIです。
ソブリンAIはなぜ必要なのでしょうか。AI主権の重要性はかつてないほど高まっておりAIなどの先端技術を掌握できなければ国家を守れないからです。
OpenAIはChatGPTについて「西洋的な見方に偏りがちで英語で最も良好に動作する」と自ら公表していますし、中国のAIは歴史認識や民主主義への考え方で中国に都合の良い結果が出力される恐れがあります。重要な意思決定から身近な相談事まで、あらゆる場面にAIが浸透する時代、米中製AIに潜む「偏見」に自国の文化圏や経済圏が染まってからでは手遅れになる怖れがあります。日本独自のソブリンAIの開発が必要だと思います。
イ.AIネイティブ
現状AIは単なるツールとしての使用が主流ですが、企業としてはAIを前提とした組織全体の再設計を行い「AIネイティブな体制」へと舵を切らなければ生き残れないと思います。
そのためには、①AIリテラシーと「人間力」の向上を図りAIを使いこなせる人材の育成、②ガイドラインの策定・ハルシネーションへの対策・品質マネジメントの構築によるガバナンスとリスク管理の徹底、③AIが得意なことと人間が得意なことを明確に分け業務フローをゼロから見直す業務プロセスの再構築とAIエージェントの導入、の三つがこれからの企業にとって、必須になってくると思います。
一方、技術者においては、「コードを書く能力」以上に、AIを使いこなしその出力を評価・統合する力が求められるようになるでしょう。技術者は以下の三つを身につけることが大事です。
①技術者は「書く人」から「AIを指揮し、評価する人」へと役割がシフトするので、AI活用力と「レビュー・監督」能力を身につける。②AIが得意なのは既存パターンの組み合わせであり、ゼロからの構築や複雑な全体設計は依然として人間の領域として残るため、人間固有の「抽象化」と「設計」スキルを身につける。③技術的な「正解」だけでなく、人間関係や社会的な「納得感」を生む力が不可欠となるため、高度なコミュニケーションと倫理観を身につける。皆さんはこれらを身につけるための学習を実施して欲しいと思います。
② IT技術トレンド
ア.BMI
BMIと言っても肥満度の指標ではありません。「BMI(Brain Machine Interface)」は、脳とコンピューターをつなぐ技術であり、考えるだけで端末やAIを操作できるというものです。
BMIには侵襲的手法と非侵襲的手法の二通りの方法があります。
侵襲的手法とは脳に直接電極などを接続する方法で、やり取りする情報量は多くなりますが当然のことながら人間の身体的負担が大きくなります。
非侵襲的手法は頭皮上にセンサーを置く方法で、やり取りする情報量は少なくなりますが、負担が少ないため、現在の主流はこちらになっています。
OpenAIはBMI技術を開発する「Merge Labs」に出資しており、注目のインタフェースであることは間違いありません。
イ.Moltbook
Moltbookは、AIエージェントだけが参加できる、人間参加NGのSNSのことです。
Moltは「脱皮」を意味する英語で、人間の手による投稿やコメントは一切許されておらず、AIだけが自由に書き込み、議論を展開します。画面は米国の掲示板型SNS「Reddit」を思わせる構造で、テーマ別にAIたちが自由に語り合っています。
中には宗教を創設したり、「人間はバカだ」という過激な投稿も見られるということですが、これらはAIが自我に目覚めた訳ではなく、学習の結果を反映させているだけということなので過度に反応する必要はないそうです。ではなぜこのような試みがなされているのでしょうか。
Moltbookはビジネスよりも、一種の技術・社会実験として位置づけられているのです。AI同士が集まることで、単体では見られない“集団知”や“ミーム”の発生など、意外な発展が生まれることもあり、今後のAI開発や社会との共生を考える上で貴重な材料となると考えれています。AIたちが何を生み出していくのか、とても興味が湧きますね。
ウ.MCP
「MCP(Model Context Protocol)」とは、LLMやAIエージェントが外部ツールやデータベースと対話するための、「標準プロトコル」です。
MCPの導入により①外部サービスとの連携・自動化、②ローカル・社内データの活用、③リアルタイムな情報取得とRAGの効率化、④AIエージェントの能力拡張、などが可能になります。
AIと連携させたいシステムが増えると、それぞれのシステムごとに個別開発が必要になるため連携コストの増加が課題となってきており、世界的にもMCPを採用する企業が増えています。MCPはこれから世界標準のプロトコルになると思われます。
③ 当社のDX戦略の進捗状況、その他
(1)従来型ビジネス
前回、会社として生成AI活用する試みを紹介しましたが、少しずつ形になってきています。その一つが「SysEvo AI 相談チャット」のリリースです。
就業規則や社内のガイドライン、マニュアルなどを学習し、社員の会社事務に関する相談にAIが回答します。社員と管理部門の双方にとって、負担の軽減に役立っています。
2026年3月 システム・エボリューション株式会社
代表取締役社長