会社概要


経営者DX推進メッセージ

2021年3月

① 世の中の動き

ア.働き方の変化

コロナ禍によって加速した感がありますが、これまでも働き方改革の一環として、情報通信技術を活用して、場所や時間や通勤の制約を受けずに柔軟に働く勤労形態が注目されてきました。テレワークやリモートワークがそれにあたります。テレワークはオフィスへ出勤することがあり、自宅だけでなく、他の場所でも仕事をする勤務形態、また、リモートワークは、全くオフィスへ出勤しない環境で働く勤務形態です。今では、ワーク・フロム・エニウェアと言われるパフォーマンスが発揮できる環境であれば、どこでも好きな場所で好きな時間に働ける新しい働き方も提唱されています。ただ、このような働き方については、問題もあります。特に若い社員にとっては、同僚や先輩方に会えないため、孤独感や疎外感、そしてコミュニケーションエラーの問題を抱える方が多いように思います。

そこで注目されているのが、仮想オフィス(Virtual Office)です。ZoomやTeamsでは解決できない「雑談」や「相談」などインフォーマルで偶発的なコミュニケーションの促進に重点を置くサービスで、テレワーク環境でオフィスの臨場感を仮想的に再現します。PC上にはオフィスレイアウトが表示され、割り当てられたデスクに出勤すると、アバターが表示されることで出退勤が管理されます。また、他人のアバターをクリックすれば、その人とチャットやテレビ通話ができますし、アバターを会議室に移動させれば集まったメンバでテレビ会議も行えるというものです。若い社員の不安を解消するためにも、我社も積極的に活用を考えたいと思っています。


イ.給与デジタル払い解禁

先日、給与のデジタル払いが解禁されるというニュースがありました。社員の給与を銀行を介さず、直接社員のスマホなどに入金するというものです。個人のメリットとしては、キャッシュレス化を進める契機になる、銀行から引き出す手間がなくなる。また企業側のメリットとしては、業務の効率化、振込手数料の削減などが挙げられると思います。資金決済業者も銀行に手数料を支払う負担が減ります。デメリットとしては、資金決済業者の破綻や安全性などが考えられます。そんな中、2022年にもデジタル通貨共通決済基盤が運用開始するというニュースもありました。

現在様々な決済サービスがありますが、これらを一つの共通基盤に載せて、相互に交換可能とするというものです。これにより、消費者は各種の決済サービスを横断的に利用可能になりますし、店舗も複数の決済サービスを揃える必要がなくなります。非常に便利になりますし、給与のデジタル払いも促進されるのではないでしょうか。



② IT技術トレンド

ア.DXに不可欠な3要素

DX不可欠と思われる3つの要素をご紹介します。一つ目は、「データレイク」です。直訳すると「データの湖」ですね。ビッグデータをそのまま格納できるストレージリポジトリで、あらゆる形式のデータをそのままの形で貯めておくことができます。データウェアハウスが確実に使うデータを保管しておくのに対し、データレイクは使う可能性があるデータを保管します。テーブル構造に縛られたRDBでは非構造化データに対応できませんが、データレイクではデータを入れるときに決まった形式に整形する必要がなく、生データのままストレージに保存しておいて使いたいときに参照します。また、膨大な量と猛烈なスピードのビッグデータをリアルタイムに格納するにはRDBでは時間とコストと労力がかかり過ぎますが、データレイクであれば、構造化の手間をかけずに瞬時に格納でき安価なストレージを無制限に使えます。

二つ目が、「コンテナ」です。仮想化技術の一つですが、サーバ仮想化技術が仮想マシンごとに、ゲストOSやアプリケーション、ミドルウェアなどの実行環境を管理する必要があるのに対し、コンテナ技術ではサーバ上のOSを仮想化するため、アプリケーションがコンテナごとに管理でき、スピーディーな起動が可能になります。コンテナ技術の導入で、生産性・拡張性・可用性が向上し、コストも低減できます。

三つ目は、「マルチクラウド」です。複数のクラウドサービスを組み合わせて最適な環境を実現するものです。各ベンダの先進サービスを利用でき、特定ベンダへの依存が低減されることでシステムの柔軟性が保たれます。

DXを推進していくうえで、これらの3要素は重要になってくると思いますので、注目しておいてください。


イ.デザイナー

「デザイン思考」という言葉をご存知でしょうか。ビジネスにおいて、イノベーティブな価値を作り出すために、デザイナーの感性・思考・行動様式を取り入れた体系的な手法のことです。これまでは、デザインはプロダクト(製品)デザインが中心でした。様々な工業製品のデザインが重視されて来ましたが、これからは、ビジネス(サービス)デザインの時代になっていくと言われています。目に見えるモノだけでなく、ビジネス全体やサービスから社会システムに至るまでデザインが重視されつつあります。エンジニアがデザイン思考を身につけると最強という説があります。

是非、デザイン思考について、学んでみてください。


ウ.ノーコード

前回、ローコード開発について紹介しましたが、時代は、ノーコードに進んでいます。

もはやプログラミング言語の知識などなくても、サイトやアプリケーションを構築できるようになっています。機能の中から必要な要素を組み合わせて、画面上から文字を入力し、画像をアップデートするだけで、完成します。期間や費用も従来の何十分の一まで抑えられます。時代はどんどん進んでいます。

遅れることにないように、頑張りましょう。



③ 当社のDX戦略の進捗状況

「新たなビジネスの創出(デジタル教育事業)」に関していよいよ、自社製品 の第三弾として、マイクロラーニング製品の販売を下半期に行います。

2020年3月の社長メッセージで注目のIT技術トレンドとして紹介しましたが、隙間時間を活用して動画でITスキルを習得することが出来るサービスになっています。当社が長年蓄積してきたIT教育コンテンツを活用したもので、是非、ご期待いただければと思います。


また、DX戦略の中で、「働き方基盤の構築」を挙げていますが、上記、「世の中の動き」で紹介した仮想オフィスについては、新型コロナの感染拡大による長引くテレワークのマイナス面を考慮して、導入に向けて、具体的な検討を行います。


DX戦略について申し上げると、その実行を推進するためにDX戦略実行の専門組織設置として「DX推進室」を設置することとしました。

今後は、「DX推進室」を中心に、当社のDX戦略の実現に向けて、諸策を検討・実施してまいります。


  

2021年3月 システム・エボリューション株式会社
   代表取締役社長